煎茶 花月菴会とは
花月菴流は江戸時代後期に流祖・田中鶴翁によって起こされた煎茶道の流派です。
煎茶中興の祖である高遊外売茶翁の弟子・聞中浄復禅師に師事した鶴翁は、売茶翁の遺風をこよなく慕い、
自身も売茶翁のように京都や紀州、さらには江戸にまで足を運び茶を献じ歩きました。
また自らの邸内に芽屋を建て「花月菴」と号しました。
後に、公卿一条忠香公から「煎茶家元」の染筆「紫の巻」が下賜され、これにより鶴翁が花月菴流煎茶家元を称することとなります。
煎茶が茶道として確立したのは花月菴流が起源であると言われるように、花月菴流は現在数多く存在する煎茶の流儀の中でも
最も歴史があり、また絶えることなくその伝統を現在まで継承してきました。
本会会員の多くは花月菴流を学ぶ門弟社中で構成されていますが、それに留まらず、識者の方々や社中の御家族など、売茶翁、聞中禅師、そして花月菴流に脈々と受け継がれてきた煎茶本来の精神やそれにまつわる文化を愛する方々も会員となっています。
本会は、会員の皆様に、煎茶の世界に触れていただける機会をより多く提供するとともに、花月菴流を支え、発展させることを目的として1995年に発足しました。
この度、一般社団法人への組織移行を機に、煎茶花月菴会のホームページの一部を公開することになりました。このページが門弟社中をはじめ、今まで煎茶道をご存じなかった方々と、売茶翁を起源とする煎茶の正しい歴史とその奥深い世界を共に学び、その精神を後世に継承していく一助となれば幸甚です。